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千葉大学「紫千会」のブログ!

千葉大学和楽器サークル「紫千会」のブログです。部員みんなで書いているので、ぜひ見てくださいね!

いとたけ考 3月

こんにちは。風邪ひいて快調じゃない会長です。

いよいよ3月になりました。今月号でブログを始めて丸一年となります。免許合宿中の暇つぶしで適当に記事書いたのが、まさか連載で一年続くとは思いませんでした。こんなマニアックな記事に毎回お付き合いいただきまして光栄でございます(^^♪

もう新歓の時期なんですよね~ また新たな出会いがあるのかと思うと楽しみです。僕にとっての新歓は紫千会員を増やすだけではなく、和楽器に縁のなかった人たちに和楽器との出会いを提供できる機会だと思っています。一人でも多くの人に邦楽の良さを知ってもらいたいと夢を見ながら新歓に臨もうと思っています。

さて、最近は春休みで時間がたっぷりとあるので、地歌の歌詞を解説本を読むがちょっとした楽しみになっています。一口に地歌といっても歌詞のタイプにも種類があり、それらを考えながら鑑賞するのはとても面白いです。そういうわけで今月は歌詞についてあれこれ書いていこうと思います。

どのような種類があるかといいますと、千鳥の曲や八重衣に代表される和歌を並べたタイプの歌詞です。千鳥の曲は古今和歌集から、八重衣は百人一首からの引用です。特に八重衣は「衣」を含む5つの歌をさらに季節順に並べて歌っているのが面白いところですね。

ほかには有名な話を題材にそのストーリーを歌った歌詞があります。こちらは引用とか抜粋でないものが多いです。「源氏物語」を題材としているものの代表に夕顔があります。光源氏の夕顔との対面の場面や一夜を過ごしたのち急死してしまう夕顔の話が歌詞になっていますが、曲の時間があまり長くないにもかかわらずストーリーの要約になっているため、原文のままではわかりにくいといわれています。

日本の古典を題材にしているものが多いですが、中国の話を題材にしているものもあります。白居易の「長恨歌」です。山田流にはそのものずばり長恨歌という曲があり、生田流には秋風の曲があります。どちらも題材は同じですが、引用部分が違います。秋風の曲は全体の要約といった感じです。僕は秋風の曲がとても好きなのですが、歌詞の意味に注目して聞いてみると、話の展開が3つのまとまりになっていて、それらが変わるのと同時に曲調も変化していることがわかりました。1つめのまとまりは玄宗楊貴妃のいわゆる「のろけ」シーン、2つ目のまとまりは反乱の後に逃げ回る玄宗を描いたシーン、3つ目のまとまりは反乱が収まって、楊貴妃を失った玄宗の寂しげなシーンを描いています。これがわかってくると、曲を聴いていて「あ~今玄宗さんのろけてんな~」と曲の表情がより細かく読み取れます(笑)

地歌にはほかに名所や品物を挙げていく「列挙型」やその曲オリジナルのストーリーを展開するものなど、多くの種類があります。江戸時代前期の曲だとやたらと延ばすので歌詞が聞き取りにくいのがネックですが、山田流の曲や江戸後期の曲は聞き取りやすいように改良されています。歌詞自体も先述の通り、話を凝縮しているものが多いので、独学で理解しようとするのはなかなか難しい気がします。ですが、解説本などで内容が理解できるようになると面白さが倍増するとともに、深みが増す感じがします。どの曲の歌詞も対比や掛詞、言外の意味など凝ったものが多く、作詞者のレベルの高さもうかがえます。

といったところで今月は終わりにしましょう。ありがとうございました!