千葉大学「紫千会」のブログ!

千葉大学和楽器サークル「紫千会」のブログです。部員みんなで書いているので、ぜひ見てくださいね!

いとたけ考 10月  六段の考察

こんにちは。

 

とうとう10月になり、明日から授業が再開します。

3回目の夏休みでしたが、相変わらず過ぎるのは速いものです。

 

さて、今日10月1日は東海道新幹線の開業記念日でありまして、今年で53年目。

紫千会は前身の竹葉会から通算して57年目になり、実は新幹線よりも年上なんですね。

50年以上の歴史というのはなかなか重いものですが、この先も50年、100年と続いていくようにしっかり頑張らねばと、改めて身の引き締まる思いです。

 

サークル行事では先週5泊6日の山中湖合宿に行ってきたところですが、OBさんたちも合わせて50人近くが合宿をするのはおそらく初めてでしょうか。にぎやかでとても楽しかったです。

とはいえ、合宿中は猛練習と睡眠不足で帰ってきてから体調を崩す会員もちらほら…

かくいう僕もちょっと風邪ひきました。(笑)

この時期の体調管理は大変ですね~

 

ところで、合宿では一年生が六段の調を一生懸命練習していました。

多くの大学で1年生は六段の調を定期演奏会で演奏することと思います。

六段ばかり練習していると正直飽きるかもしれませんが、実はこの曲はなかなか味わい深い。

改めて六段の魅力を考えてみたいと思います。

六段の調の作者は八橋検校である、というのは多く知られているところだと思います。

八橋検校は江戸初期に雅楽の楽器の一つだった箏を、現在のように一つの楽器として新たなジャンルを築いた人です。

八橋作品は、琵琶法師のように歌の伴奏楽器として箏を用いる「組歌」と、六段のように歌のない器楽曲である「段もの」とに分けられますが、この段ものの「器楽性」は現代曲に相通じるところがあって、これが約300年前に作られたのかと思うとすごくないですか?

 

当初は独奏曲でしたが、のちに箏の替手が作られて二重奏できるようになったり、三味線や尺八の手も付けられて合奏曲としても演奏されるようになって今日に至ります。

合奏での六段だと、他の楽器に合わせる都合上、箏だけの時より調絃は低い調子に合わせます。

私自身は、もともと箏のために作られた曲なのだから原キーでやるべきなのでは?

と最近考え、箏と合奏するときは箏を原キーのまま、尺八の長さを変えたり、手付を変えてみるなどして新しい試みをやってます。

また考えが変わるかもしれませんが…(笑)

 

六段の隠れた魅力として、他には、「いろいろな曲にこっそり登場する」というのがあります。

山田流「ほととぎす」や生田流「秋風の曲」では実は六段と合奏できるように作られていています。他にも六段と合奏できるようになっている曲はいくつもあります。

基本旋律は全く六段をイメージさせませんが、合わせてみると所々旋律が重なり、なんとも不思議な感覚になります。

六段の旋律には、実はいろいろな他の旋律も隠されている…

この曲がなかったら生まれていない曲も多いことでしょう。

シンプルな旋律ゆえに変幻自在なのかもしれませんね。

 

ということで、今回は六段についてでした。